週末のイゼッタ#09 ネタバレ

このパターンあんまり自分の好みではないというか、 自分としてはちょっと残念だったという感じの事。

終末のイゼッタは、大まかにいえば、 第二次世界大戦をモチーフにした世界情勢のなかで 劣勢で孤立していて敗北寸前の小国が、 「魔女」という世界で特別な存在を迎え入れて生存への希望を得て戦って行くというお話だと思います。

世界で最後の一人の魔女という、特別な大きな力を持っているが、しかし完全ではない。 そんな唯一無二の力がどんな風に振舞われるのか。 それが周囲とどう作用して、世界がどう変わっていくのか。 自分はそんな所にカタルシス、面白みを感じていると思います。

魔女の力は完全無欠ではないから彼我の戦力差は埋まらないんだけど、 知恵と勇気を使って埋めていく。

 そして、物語には転機が訪れる。 目的の達成や、新たな目的の設定によって、当初方向づけられたストーリーの流れが変わる、 視聴者の予想や期待を裏切って、それを上回ろうとする。

 その方法が自分の好みではなかったので一人で勝手に落胆とまではいわないけどちょっと残念だった。 新たに別な魔女が敵として立ちはだかってきました。 新しい魔女のゾフィーさんが登場したことによって、 魔女が唯一無二の特別な存在ではなくなりました。

そして、当然ながら魔女と魔女が戦うという事になります。

この展開でお話が狭くなった気がしました。

ゾフィーの私怨がフォーカスされて、個人の戦いという色味になってきたと感じている。

魔女のゾフィーさんというのは、裏切られ虐げられたという過去を持っていて、 それとイゼッタに対するアンチテーゼなのである。 (関係ないけど:クローン元となった個体の記憶を持っているというのは、この作品のリアリティとしては易々とは納得できないかな。そうはいっても悪いとも思わないけど。最後まで見るし。)

 何が不満なのかというと、 唯一無二の魔女と知恵と勇気で成立した状況が、周囲をどう巻き込んで、世界がどう変遷していくのか期待感があった。 帝国の側も魔女とどう戦うのかを考えなければならないわけだし。

これは同質の力のぶつかり合いであり、魔女対決は避けられないじゃん。 キャラクターに依存するというか、、、力のインフレというか、

 これと似たような構造で思いつくのは「ガンダム00」です。 太陽炉といった特別な技術でもって圧倒的に優位な立場から世界をコントロールしようとした組織があって、 その圧倒的な武力を提示して世界に理想を宣言したデビュー戦から、 次第に追い詰められていく状況になる。という流れ。 そして、追い詰められる決定的な要因が、拡散した同系統の技術である疑似太陽炉によるものだった。 その時に今と同じ落胆を味わった。

 この辺、自分がどうして残念に思うのか、 そのストーリーの展開方法に工夫が感じられないというのはある。 (ただ、これが的確な理由なのかはまだわからない。)

 自分が何を期待していたのか。 ガンダム00の登場人物たちは、そういう太陽炉がない所で戦おうとしていたわけで、 自分たちで解答を掴んでほしかったという気はする。 横から流れてきた技術っていうのはなんか、神の采配って感じですよデウスエクスマキナ感があります。 踊らされている感を受けました。 疑似太陽炉がどこからともなくポンと出てきて、 それはフィクションだから全然あって当然の事なのは問題ではない。

ストーリーの展開の都合に合わせて都合のいい設定と展開がされていくのは問題ない、問題はその中身だ。 それは、語りたいテーマが私の期待とは違っただけなので、 単純に自分の好みじゃなかっただけなんですけども。

ガンダム00でいえば、自分たちが持てる力でガンダムと戦うためにどうするか、これが前半展開されていたのでそこは楽しかった。その延長で突破した物が見たかった。 またソレスタルビーイングの理想もどう実現されるのか、実現した後どうなるのかという風に見たかった。 結局、同質の力が双方に与えられて、よくあるガチンコの戦争になってしまった。 自分にとってはその作品のとんがってると思ってた部分が丸くなった。 (自分で自分の、この考えに お客さんはわがままだなとおもった。)

敢えて例えて言ってみれば、太陽炉を持たないままガンダムを打ち倒す。 それか、ガンダムの活動の影響で別な問題が表れてくるかとか ソレスタルビーイングという遺物を抱えたままの世界の行く末が見たかった。

 それと似たような事をイゼッタという作品に期待していた。 イゼッタを帝国が打ち倒すとかそういう事ではなく。 魔女という異物を抱えた世界の行く末のような事を。

PS 終末のイゼッタでは、 それまでに弱点を見つけたぞという将官の話とか、 魔女に因縁のある飛行機乗りとか、 そういうエピソードが、当然ながら繋がってはいるんだけど、なんかしっくりこなかった。